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北海道支部について

特別講演会のお知らせ【2019.9.26 高橋 達朗 先生】(2019.09.24更新)

演題

『真核生物ミスマッチ修復の多様な機能を試験管内再現系を用いて探る』

演者

高橋 達朗 先生

所属

九州大学大学院理学研究院・准教授

日時

令和元年9月26日(木)16時30分〜17時30分

場所

北海道大学理学部本館N308号室

主催

生命分子化学セミナー

共催

日本生化学会・北海道支部

概要

すべての生物において、遺伝情報の維持、複製、利用はワトソン・クリック塩
基対を基盤として動作する。ワトソン・クリック塩基対の破綻(ミスマッチ)は
DNA複製や修復の誤り、正確でない相同組み換えや塩基損傷などによって生じる
が、ミスマッチに対する適切な対応はそれが生じた原因によって大きく異なる。
たとえば、DNA複製の誤りは、誤って合成した塩基を修正することによって修復
される。一方で、類似するが同一でない配列間での組換えによってミスマッチが
生じた場合は、組換え試行自体が誤っている可能性が高く、組換えの中止と正し
い鋳型の再探索が適切な対応となる。興味深いことに、ミスマッチに対するこれ
らの多様な応答は、単一のミスマッチセンサーを起点とするミスマッチ修復経路
によって統御されている。
我々はミスマッチ修復の多様な機能に興味を持ち、試験管内再現系によってその
動作機構を明らかにしようとしている。ツメガエル卵抽出液は、DNA合成、相同
組換え、ミスマッチ修復やクロマチン形成などを効率よく試験管内再現する。我
々はこれをモデル系に利用し、これまでにミスマッチ修復がDNA合成エラーを修
復する際の新生DNA鎖情報の保持機構(Kawasoe et. al., eLife 2016)、ミスマ
ッチ修復がクロマチン上で機能するための反応(Terui et. al., Genes Dev 
2018)などを明らかにしてきた。本セミナーでは特にミスマッチ修復とクロマチ
ン構造の関連、およびミスマッチ修復による相同組換の正確性維持機構に焦点を
当て、最新の知見を紹介し、議論したい。

連絡先

北海道大学大学院理学研究院化学部門生物有機化学研究室
    村上洋太
     (電話:011-706-3813、e-mail:yota@sci.hokudai.ac.jp)
    高橋正行
     (電話:011-706-3814、e-mail:takahash@sci.hokudai.ac.jp)

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