特別講演会のお知らせ【2019.2.15 山下 俊英 先生】(2019.02.04更新)
演題 | 中枢神経回路の障害と修復を制御するメカニズム |
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演者 | 山下 俊英 教授 |
所属 | 大阪大学大学院医学系研究科・生命機能研究科・免疫学フロンティア研究センター・分子神経科学・創薬神経科学 |
日時 | 2019年2月15日(金)16:00から(予定) |
場所 | 北海道大学遺伝子病制御研究所5階セミナー室 (札幌市北区北15条西7丁目) |
主催 | 北海道大学遺伝子病制御研究所分子神経免疫学分野 |
共催 | 日本生化学会北海道支部 |
概要 | 中枢神経に障害をきたす疾患に対して、神経新生を促進する手法、あるいは外部から各種の細胞を補充する方法により、中枢神経を再生させようとする試みがある。神経機能再生を目指した細胞移植療法や神経再生治療法の開発が進んでおり、一部は臨床応用に至っている。中枢神経疾患に対してこれらの治療法が神経機能の回復を導くためには、複雑な神経回路が再建される必要がある。壊れた神経回路を再建するためには、生き残ったけれども軸索の損傷を受けた神経細胞、あるいは補充された神経細胞から軸索が伸長し、標的ニューロンに向かって誘導され、シナプスを形成しなければならない。さらに適切な回路は強められ、不適切な回路は刈り込まれることで、機能的な神経回路となりうる。傷ついた神経細胞や補充された神経細胞が機能回復に寄与するためには、このような複雑なステップを乗り越えていかなければならない。神経回路の形成は神経発生の段階では着実に進むにもかかわらず、成体になると困難となる。損傷された中枢神経の軸索は極めて再生しにくいためである。哺乳類の中枢神経は、この自己再生能力の低さのため、最も修復されにくい臓器の一つである。本講演では、神経回路の機能的な再生を実現するために何が障壁となりうるかという点と、それを克服するための治療法の開発について概説する。 |
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