特別講演会のお知らせ【2016.2.22 林久美子 先生】(2/14時間会場変更)(2016.02.12更新)
| 演題 | ゆらぎからモーター数を数える 〜複数分子モーターによる協同的オルガネラ輸送〜
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| 演者 | 林久美子 先生 |
| 所属 | 東北大学 大学院工学研究科 応用物理学専攻 |
| 日時 | 平成28年2月22日(月) 17:00-18:30 (2/14変更) |
| 場所 | 北海道大学薬学部 第三講義室(2/14変更) |
| 主催 | 日本生化学会北海道支部 |
| 概要 |
ゆらぎとは、例えば水中のコロイド粒子が水分子の衝突でふらふらすることである。この運動は水分子の熱運動に起因する。最近の物理学の研究では、熱ゆらぎのある系で様々な定理が発見されている。例えば、ゆらぎの定理(EvansらPhys Rev Lett 1993)は、ゆらぐ系のエントロピー生成(e.g. 発熱)の分布の対称性を示すものだ。この対称性を利用することで、ナノ・マイクロスケールの系の実験で従来の測定では見えなかった量を検出することができる。ゆらぎは一見ルールも無くふらふらしているだけの運動だが、数理を介して見ると、非常に多くの情報を我々に提供してくれる。
細胞内で生体分子はふらふらゆらぐ。私たちは生体分子の中でも、特に神経細胞内のモータータンパク質を研究対象にした。ミトコンドリアなどのオルガネラが微小管(レール)に沿ってモーターに輸送される。オルガネラは熱ゆらぎや周囲のベシクルとの衝突でふらふらゆらぎながらもモーターに運ばれ一方向に運動する。神経細胞は長い軸索を持つため、細胞中心から末端への輸送が極めて重要である。1つのオルガネラを複数モーターで運ぶ協同的輸送が速い輸送を実現すると考えられるが、真相はよく分かっていない。我々は、オルガネラの位置ゆらぎを解析し、実験データへのゆらぎの定理の応用で、グラフの「離散性」から一つのカーゴを運ぶモータータンパク質の「数」(1個、2個、3個・・・)を検出した。つまり、ゆらぎの数理を利用すると、オルガネラの蛍光観察で得られる動画を見るだけで、運んでいるモーターの数が分かるのである。
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| 連絡先 |
北海道大学大学院薬学研究院 神経科学研究室 鈴木 利治(011-706-3250)
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関連資料
2016.2.22_Dr.Hayashi_update2-14_poster.pdf(54KB)
