講演会のおしらせ【2015.8.4】(2015.07.27更新)
演題 | 『生細胞・生体内のエピゲノム修飾と転写のダイナミクス』 |
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演者 | 木村 宏 先生 |
所属 | 東京工業大学大学院生命理工学研究科 |
日時 | 平成27年8月4日 16時30分〜18時00分 |
場所 | 北海道大学理学部6号館2階 6-4-02号室 (北海道札幌市北区北10条西8丁目) |
主催 | 生命分子化学セミナー |
共催 | 日本生化学会北海道支部、日本生物物理学会北海道支部 |
概要 | ヒストンの翻訳後修飾は、遺伝子発現制御やゲノム維持に重要な役割を果たしており、 発生や分化、細胞周期、外部刺激などに応じてダイナミックに変化する1)。 また、ヒストン修飾やDNAメチル化を介したエピゲノム制御の破綻と細胞のがん化との 関係も最近注目されており、ヒストン修飾酵素・脱修飾酵素の阻害剤開発などが積極 的に進められている。 我々は、発生・分化や刺激に応答したヒストン修飾と転写の動態を明らかにするため、 各種ヒストン修飾に特異的なモノクローナル抗体を開発して研究を進めている。 さらに最近、蛍光標識した特異的抗体(Fab断片)を用いて、蛋白質翻訳後修飾を生細 胞可視化する系(FabLEM; Fab-based live endogenous modification labeling)を 開発し、ヒストン修飾の細胞周期やマウス初期胚発生におけるダイナミクスを明らかに してきた2)。最近、この系をRNAポリメラーゼIIの開始型と伸長型に見られるリン酸化に 適用し、ステロイドホルモンによる遺伝子の活性化に伴うヒストンとRNAポリメラーゼIIの 動態の解析を行った。その結果、ヒストンH3のK27アセチル化が転写活性化における 二つの異なるステップ(転写因子の結合、及び、転写の開始から伸長への移行)を 促進することが明らかになった3)。また、他の転写活性化系においても、 H3K27アセチル化が転写活性化に重要な役割を果たすことを示唆する結果が 得られている。 一方、ヒストン修飾を生きた個体レベルで観察するための遺伝子コード系の開発にも 成功しており4,5)、この系を用いた生体内ヒストン修飾イメージングについても紹介する。
References
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連絡先 | 北海道大学大学院理学研究院化学部門 村上 洋太 TEL: 011-706-3813 e-mail: yota@sci.hokudai.ac.jp |